就活でのホテル業界の志望理由のポイント
- アドバイス
どの業界であれ、就活のポイントの一つが「志望理由」。しかし、どの業界でも使える志望理由では、内定からはほど遠いものに。ホテル業界は今後活況の時代。内定に近づく志望理由の書き方をご紹介します。
追い風が吹くホテル業界を知るKWとは?
ホテル業界への就活を考えるあなたなら、絶対に知っておきたいキーワードがあります。下記のキーワードの説明ができますか。
東京オリンピック
インバウンド
RESAS
グランピング
星野リゾート
瑞枝第一ホテル
婚礼需要
民泊
タトゥー
スターウッド
MICEビジネス
いかがですか。上記10個の単語について、すべて理解し、ホテル業界にとっての意味合いを説明できるのであれば、あなたはホテルの内定にいちばん近い場所にいるといえるでしょう。
どんな解釈ができるのか、その一例をあげましょう。(くわしくはご自分でも調べてみてくださいね)
東京オリンピック……2020年開催の東京オリンピックに向け、ホテル業界も活況を呈しています。平成24年以来、東京のホテルの稼働率が大きく伸長。東京スカイツリーや渋谷ヒカリエなどの開業、円安などにより訪日外国人観光客の増加。近年のホテル業界は好業績を上げています。外資系、国内ホテルが次々と開業。しかし問題は、オリンピック後です。その後も宿泊需要は続くのでしょうか。成長期、成熟期を迎えつつあるホテル業界は、その後の対応策が求められます。
インバウンド……外国人旅行者の70%が東京都を訪れています。外国人旅行者が多いからホテル業界も景気がいい、と単純に考えるのは読みが浅すぎるかもしれません。アジア人旅行者のほとんどは、東京で買い物をするのがニーズの中心。欧米人旅行者の場合は、ヒストリー、カルチャー、ヘリテージ(世界遺産)がキーワード。そして、外国人旅行者が東京での滞在で、不便に感じたことのトップは、無料Wi-Fiの整備が遅れていること、外国語サービスが少ないことなのです(観光庁)。「ホテルのテレビに外国語チャンネルがない」ことも不満に。ホテルはこうしたニーズにどう応えるかがカギ。
このようにひとつのキーワードから、どんな考察ができるかがポイントです。
キーワードから背景や問題点を探る
では、他のキーワードも簡単に説明しましょう。
RESAS……経済産業省が運営する「地域経済分析システム」で、だれでも無料で使うことができます。外国人観光客の動きも把握できるため、観光戦略を立案する際にも役立ちます。
グランピング……外国人観光客の滞在長期化やリピーターの人気になるかもしれません。
星野リゾート……快進撃の背景は、宿泊者アンケートで改善点を明確にしたことでした。
瑞枝第一ホテル……楽天トラベルにおける宿泊人泊数調査でトップになった江戸川区のホテル。
婚礼需要……国内ホテルの収益の一つが結婚披露宴などの婚礼需要。これが激減しています。
民泊……東京を中心に都市部で不足するホテルを補完するため、政府が民泊の拡大を打ち出しました。
タトゥー……温泉や大浴場で外国人観光客のタトゥー客への対応について警察、厚労省が協議していく方針。
スターウッド……世界最大のホテルチェーン。日本にもそのグループホテルがあります。
MICEビジネス……Meeting、Incentive、 Convention、 Exhibitionの頭文字。ホテルにとって、大きな収益を生むビジネスです。
こうしたキーワードにホテルへの就活として必須の項目、「あなたのやりたいホテル業務」と重ね合わせてみてください。志望理由に、接客が好き、人に喜ばれることが好きといったことのほかに、そのホテルが関わる課題や展望にあなたの洞察が加われば人事採用担当者にとって「気になる存在」になるはずです。
ただし、注意しなければならないのは、的外れな意見を書かないようにすることです。
では的外れな意見を書かないようにするにはどうすればいいのでしょうか。
タイプを見極めて志望理由を書き分ける
的外れな志望理由を書かないためには、ホテルのタイプを見極めなければなりません。
就活としてホテル業界を研究していくと、ホテルの規模により戦略が異なっていることがわかります。ホテルにはラグジュアリーホテル、シティホテル、ビジネスホテル、リゾートホテル、アーバンリゾートホテル、複合型ホテル、デザイナーズホテル、ブティックホテル、テーマ型ホテルなどのタイプがあります。それぞれターゲットが異なるため、戦略も異なります。
出張族をターゲットにした低価格戦略型ビジネスホテルに、MICEビジネスの将来性を志望理由に盛り込んでも意味はありません。大きな流れを説明する際にはあってもいいでしょう。しかし、具体的な志望理由にこのキーワードを使うと的外れになりかねません。そうならないためには、企業研究が必須です。
企業研究と同時に自己分析が大切なことはいうまでもありません。自己分析ができなければ、ホテル業界のなかでどんな仕事につきたいのかがわからないからです。
ホテルにはさまざまな職種があります。フロント、客室係、ホールスタッフ、パントリー、サービス開発、販売促進、営業など、さまざまです。「とにかく、ホテルに就職したい」ではなく、「ホテルのフロント」なのか「パントリー」なのか。「販売促進」なのか、明確にし、そこにあなたの持つ資格・特技を重ねることで志望理由は克明になり、内定に近づく、といえるでしょう。
しっかり調べて、KWを駆使した志望理由に
就活でホテルを選んだら、業界を調べることと自己分析を徹底することです。ホテル業界に関連するキーワードがたくさんありますが、そうしたキーワードの意味、そこから考えられることをしっかりと考えまとめておきましょう。キーワードにホテルへの就活として必須の項目、「あなたの志望するホテル業務」と重ね合わせてみてください。志望理由が、ありきたりだと、研究が足りないと判断され、熱意も意気込みも感じてもらえません。
また、志望するホテルのタイプをきちんと把握することも大切です。ホタルタイプにより、戦略が異なり、それによって設定されている職種も異なる可能性があるからです。そうした前提を理解したうえで、企業研究を行ない、志望理由にキーワードと職種を重ね合わせます。ホテル業界に対する情報を収集することで、志望理由は厚みをますことでしょう。
