百貨店で42年働いた元百貨店員が解説!百貨店業界に向いている人の特徴3選
- 企業研究
就職活動を進める中で、一度は「百貨店業界」を視野に入れたことがある方も多いのではないでしょうか。
華やかな売り場、洗練された接客、そして世界中から集まる最先端のトレンド ──。就活生の皆さんにとって、百貨店は非常に魅力的な業界に映るはずです。
しかし、いざ「志望動機」や「自己PR」を書こうとすると、「接客が好きだから」「ブランドが好きだから」といったありふれた理由になってしまい、一歩リードするアピールになりにくいのも事実です。
では、百貨店の採用担当者は、学生のどのような資質を見ているのでしょうか?
このコラムでは、バイヤーや販売マネージャーなど、百貨店のあらゆる職種に共通する「百貨店に向いている人の特徴3選」を、具体的な仕事のリアルや、百貨店で42年勤めた私自身の経験を交えながら徹底解説します。
自身の強みと照らし合わせながら、自己分析や業界研究の参考にしてみてください!
目次
1. 特徴1:『人』を観察し、顧客やチームのために動ける
2. 特徴2:『モノ』に対する興味がある
3. 特徴3:利他の精神で『人の役に立つこと』を惜しまない
4. まとめ:百貨店は「モノ」を通じて「夢と希望」を売る場所
特徴1:『人』を観察し、顧客やチームのために動ける
百貨店に向いている人の第一の特徴は、何よりも「人に強い興味関心を持っていること」です。これは単に「人と話すのが好き(おしゃべりが好き)」というレベルにとどまりません。
百貨店における「人に興味がある」とは、「人の行動を観察し、その背景にある心理やニーズを汲み取ろうとすること」を指します。
① お客様への興味:ターゲットを絞り、ニーズ、ウォンツを先読みする
百貨店には、毎日老若男女問わず、非常に多くのお客様がご来店されます。しかし、すべてのお客様に同じアプローチをしていては、百貨店ならではの「特別感」は生まれません。
そこで重要になるのが、「いま、どのようなお客様にご来店いただきたいのか」を明確に想定することです。
● トレンドに敏感な20代ビジネスパーソンなのか
● 本物志向でライフスタイルにこだわりを持つ50代なのか
● 家族の記念日の贈り物を探している方なのか
ターゲットを絞り込み、そのお客様たちが「今、何を求めているのか」を徹底的に考え抜くことで、初めて魅力的なバイイング(商品の買い付け)や売り場展開(ディスプレイやフェアの企画)が可能になります。
そのためには、街ゆく人々のファッションを観察したり、世の中のトレンドに常にアンテナを張り巡らせたりして、「人」の動向を追い続ける情熱が必要です。
② チームメンバーへの興味:一人では成り立たないビジネス
百貨店の仕事は、絶対に一人では完結しません。バイヤー、販売マネージャー、店頭の販売スタッフなど、多くのプロフェッショナルが力を合わせる「チームプレイ」です。そのため、一緒に働く仲間への興味や思いやりも不可欠です。
例えば、バイヤーの仕事を考えてみましょう。 バイヤーは海外や国内のブランドから素晴らしい商品を買い付けてきますが、彼らが直接すべてのお客様に販売するわけではありません。実際に店頭でお客様に魅力を伝えるのは、売り場の販売スタッフです。
人に興味があるバイヤーは、「自分が買い付けたこの商品を、どう伝えればメンバーが自信を持って楽しく販売できるだろうか?」と考え、商品のこだわりやストーリーを販売スタッフに丁寧に共有します。
また、売り場を統括する販売マネージャーであれば、チームメンバー一人ひとりの動きや表情、体調の変化にまで目を配る必要があります。
「今日の〇〇さんは少し元気がないな、フォローに入ろう」「〇〇さんは最近、このブランドの接客がすごく上手になっているな」といった日頃の観察が生きて初めて、チーム全体でお客様に最高のパフォーマンスを提供できるようになります。「自分一人ではなく、チームで大きな成果を出したい」と思える人は、間違いなく百貨店に向いています。
特徴2:『モノ』に対する興味がある
2つ目の特徴は、「モノ(商品)に対して、深い興味と探究心を持っていること」です。百貨店に並ぶ商品は、決して安いものばかりではありません。お客様が「高価であっても、百貨店でこの商品を買いたい」と思うのは、そこに圧倒的な価値と、信頼できる情報があるからです。
百貨店で働くプロフェッショナルは、扱う商品の素材、パーツ、製造工程、正しいお手入れ方法、そして最新のコーディネート提案に至るまで、あらゆる情報を常にアップデートしています。
お客様からの「これ、家で洗濯できる?」「どのようなスタイリングが良いかしら?」といった質問に、自分の言葉でプロとして答えられなければなりません。
ここで、私自身の新入社員時代の少し恥ずかしい、しかし今では宝物になっているエピソードをお話しします。
就職活動中、私は「紳士服のバイヤーになりたい!」と強く希望して百貨店に入社しました。しかし、最初に配属されたのは、全く予想していなかった「婦人ハンドバッグ売り場」。当時は紳士ファッションのことばかり考えていたため、正直に言えば配属を知った瞬間はがっかりしてしまいました。
しかし、プロとして店頭に立つ以上、言い訳はできません。諦めてハンドバッグの勉強を始めてみると、その世界の奥深さにすぐに圧倒されました。 革の種類による手触りや経年変化の違い、縫製のピッチ(細かさ)の美しさ、耐久性を高めるための芯材の入れ方など、一つのバッグに職人の技術がこれでもかと詰まっていたのです。
私はハンドバッグが大好きになりました。もっと知りたくなった私は、時にはハンドバッグを自分で解体し、パーツの裏側や構造をこの目で確かめることまで行いました。 「このモノは何のために存在し、どのようにして出来上がっているのか」 その本質を突き詰めた経験があったからこそ、お客様に対しても「このバッグのここが凄いんです!」と、心からの熱量を持って提案できるようになりました。
就活生の皆さんも、入社後に希望通りの部署に配属されるとは限りません。しかし、どのような場所に配属されても「目の前にあるモノの魅力を探求し、愛することができる人」であれば、どこの売り場に行っても一流の活躍ができます。
特徴3:利他の精神で『人の役に立つこと』を惜しまない
3つ目の特徴は、「人の役に立つこと(利他行動)を、一切惜しまないこと」です。
百貨店の接客・サービスの本質は、マニュアル通りの対応ではなく、「目の前のお客様のために、自分は何ができるか」を自発的に考え、行動することにあります。
すべての判断基準は「お客様のためになるか」
百貨店で働く上での究極の判断基準は、「売上が作れるか」ではなく、「それが本当にお客様のためになるか」です。
例えば、あるお洋服を気に入ったお客様がいたとします。しかし、プロの目から見て、そのお客様の利用目的や体型にその商品がどうしても合っていないと感じたとき、あなたならどうしますか? 売上だけを追うなら、そのままお売りすればいいかもしれません。しかし、本当に百貨店に向いている人は、あえて「お客様、こちらの商品も素敵ですが、今回のご用途であれば、あちらの素材の方が長く快適にお召しいただけますよ」と、別のご提案をしたり、時には「今回はお勧めしませんが、お時間をいただき再度ご提案させてください」と誠実にお伝えしたりします。 目先の売上よりも、お客様のこれからの生活や、お店との信頼関係を大切にする姿勢こそが、百貨店の信頼を支えています。
潜在的な課題を先回りして解決する
さらに一歩進んだ百貨店人になると、お客様の目に見えている課題(「結婚式に行くからドレスが欲しい」など)を解決するだけでなく、お客様自身も気づいていない、近い将来に顕在化するであろう課題まで想像し、先回りして提案できるようになります。
● 「夏にリゾート地へご旅行に行かれるなら、現地の冷房対策として、この軽いリネンストールをバッグに忍ばせておくと便利ですよ」
● 「お子様の入学式ですね。当日は荷物が増えますので、サブバッグをお持ちになるとスマートですよ」
このように、お客様のライフスタイルや未来のシーンを頭の中で想像し、「お役に立ちたい」という一心でプラスアルファの提案ができること。この「お節介とも言えるほどの、温かい利他の精神」を持っている人が、お客様から長く愛される存在になります。
まとめ:百貨店は「モノ」を通じて「夢と希望」を売る場所
このコラムでは、百貨店業界に向いている人の特徴を3つご紹介しました。
これらは、将来バイヤーとして世界を飛び回るにしても、販売マネージャーとして大きな売り場を統括するにしても、絶対に変わらない「百貨店の原点」です。
就活生の皆さんに最後に伝えたいのは、「百貨店はモノを売る場所ですが、同時に『夢や希望』を売る場所でもある」ということです。 お気に入りの服を着て出かけるときの高揚感、大切な人にギフトを選んでいるときの優しい気持ち、そうした人生の豊かな瞬間をプロデュースするのが仕事です。そのことに気が付き、誇りを持って働けるイメージが湧いたなら、あなたには間違いなく百貨店で働く素質があります。
「人が好き」「モノが好き」「誰かの役に立ちたい」──。 もし、この3つのキーワードを聞いて胸がワクワクしたなら、ぜひ自信を持って百貨店業界の門を叩いてみてください。
百貨店業界に興味がある方は、ぜひ「就活塾キャリアアカデミー」にお越しください。長年百貨店業界で勤めた講師が在籍しており、業界研究からES添削、面接対策などを実施しております。
就活塾キャリアアカデミーでは、入塾前個別相談をほぼ毎日開催しております。少しでも興味のある方はぜひお気軽にご参加ください!





