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【狙い目】老舗企業の企業研究の2つのコツ【就活】

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【狙い目】老舗企業の企業研究の2つのコツ【就活】

企業研究

日本は「老舗」と呼ばれる長寿企業の数が世界一多い国です。しかし、大手やベンチャーなどの企業と比較して、企業研究の方法が解説されることはあまりありません。そこで、今回は老舗企業の研究のコツを解説します。

■老舗企業とは?

老舗企業の研究を進めるうえでは、老舗企業とはどのような企業を指すのかということを知る必要があります。老舗企業の具体的な定義については、複数の見解が存在しますが、ここでは創業50年以上の企業を老舗企業として取り扱うこととします。

老舗企業の特徴としては、酒造業・旅館業・呉服販売など日本の伝統的な商材やサービスを製造・販売する企業が多いということです。また、創業者の家族・親族あるいは、その子孫が経営の舵取りをおこなう、同族経営の形態が採用されていることが一般的です。さらに、老舗企業には創業者から受け継がれてきた、社是や教えといったものがあり、経営方針を決定する際には、必ずこれらと照らし合わせて判断を下します。

このような特徴を聞くと、堅苦しいイメージや封建的なイメージを持つかもしれませんが、海外においては特に日本における老舗企業を「ファミリービジネス」と呼び、経営の安定性や成長性、従業員の解雇率の低さなどの点から社会的に高く評価されています。

よって、老舗企業の研究をおこなう際には、いままで述べた特徴を踏まえたうえで具体的な情報収集を進めていく必要があります。

老舗企業の研究のコツ1 −情報収集編−

上場・非上場を問わず老舗の大企業の研究をおこなう場合、『会社四季報』あるいは『会社四季報—未上場版』といった書籍に掲載されている企業の中から、創業年が古い企業を探していくというのが、最も効率的な方法です。

事業内容や過去の売り上げ、業況なども一目で確認できますし、企業情報欄を見れば経営の形態についても情報を確認することができます。また、大企業の場合はホームページで公開されている情報も充実しており、全国紙や経済誌においても関連記事を探すのは比較的容易です。

一方、老舗の中小企業の研究をおこなう場合は企業研究の方法が少し異なります。これは、株式公開の有無や商圏の大きさなども関係しますが、一般的に中小企業は大企業と比べて情報公開の度合いが低く、商圏も限定されるため、情報収集がしにくい傾向にあるからです。そのため、特定の業種を営む中小の老舗企業を探したい場合は、酒造業であれば伏見、灘、旅館業であれば城崎、道後、金属加工業なら燕三条といった具合に、志望する業種が盛んな地域を事前に特定したうえで、その地域にある老舗の中小企業を探すのが効率的な方法です。

また、業種に関係なく特定の地域の老舗企業を探す場合は、地域の商工会議所や商工会といった経済団体、経営者団体のホームページや年報などを見ると老舗の中小企業を探すことができます。必要であれば、直接これらの団体の事務局に問い合わせてみるのも良いでしょう。このように、老舗企業の研究のコツは志望する企業の規模や商圏に応じて適切な情報収集の方法を選択し、進めていくことにあります。

老舗企業の研究のコツ2 –経営者分析編−

老舗企業の情報を収集することができたら、次は企業を分析する必要があります。

先に述べたとおり、老舗企業は同族経営の形態を採用している企業が多いので、企業分析=経営者分析になります。とりわけ企業規模の小さい中小の老舗企業では、経営者が担う役割が大企業以上に大きいため、経営者を研究することがとても大切です。例えば、経営者が過去に「丁稚奉公」の経験があるかどうか。丁稚奉公とは経営者(雇用者)になることを見越して、他の企業の社員として数年間勤務し、被雇用者としての経験をするということです。

丁稚奉公の経験は経営者としての視野を広げることにもつながりますし、被雇用者の立場も理解できるようになります。また、経営者が社外の活動に注力をしすぎていないかという点も重要です。老舗企業の経営者は地域の名士である場合が多く、地域の経営者団体や経済団体で要職を務めるケースがあります。中には経営者としての手腕を買われて、講演会や勉強会の講師として全国を飛び回っているケースもあります。このような活動をしている経営者の一部はメディアにも登場するなど、とても華やかな存在ですが、社外の活動で時間を費やしている分、自社の経営に割く時間が減り、本業がおろそかになっている場合もあります。

これらは一つの例ですが、老舗企業の経営者は企業の精神的な支柱でもあるため、彼(女)等の存在が社員のモチベーションや社内の雰囲気にも大きな影響を与えるということも十分に考慮することも、老舗企業の研究を進めるうえでのコツです。

■まとめ

これまで、老舗企業の研究について、特に情報収集と経営者分析の観点から解説をしてきました。研究を進めるうえで大切なことは、企業の規模にあわせて適切な情報収集の方法を選択する必要があるということです。

また特に老舗企業では同族経営の形態が採用されているケースが多いため、経営者が経営に与える影響の大きさを考慮し、企業研究=経営者研究という視点から分析を進めることとが必要です。国際化の流れの中で、海外輸出を増やす酒造メーカーや外国人観光客を積極的に受け入れる旅館など、日本の老舗企業への注目が増しています。

海外ではファミリービジネスへの評価が進むなど、老舗企業を取り巻く環境の変化を踏まえながら企業研究を進めていくことが、老舗企業を研究するうえで最も大切なことでしょう。