就活でのグループワーク対策
選考の中で、面接と並行して行われることの多いグループワーク。やることが面接と違う以上、心構えも準備も違ったものが必要です。グループワークの目的や実例を見ながら、どんな準備が必要かを把握しましょう。
どうしてグループワークをするのか?
一般的に就活の選考として行われるグループワークは、志望者を4~6人程度の小さな班に分け、何かを議論・発表・作成していくという内容です。本来はライバルとなる同じ立場の就活生と協力して、合格に向けて取り組む必要があります。
それでは、なぜ企業は選考にグループワークを取り入れるのでしょうか?
企業がグループワークで見ようとしているものは“より実践的な状況での社会人・業務への適性”です。実際に企業へ入社すると、面接のように上司や同僚と面と向かって、一問一答のやりとりで業務を進めていくことはまずありません。お客様や関係者を巻き込んで、合議・検討していくことがほとんどです。
なので、疑似的にそういった場を作りだし、その中での言動を見て適性を判断していくこととなります。
どんなグループワークがあるの?
就活でのグループワークは限られた時間で行われるため、ある程度パターン化されているものを業界や企業の特徴に合わせてアレンジすることがほとんどです。
主なものを挙げてみると
<その会社のこと系>
- その企業で売り出す新商品(サービス)を考えプレゼンする
→最も基本的なパターン
2)ある顧客例が提示され、その顧客に対する提案を作成し提案資料を作る
→資料作成スキル(図解力やPCスキル)も見られるパターン
<実務系>
1)ある研究データなどが提示され、そこから読みとれること・対策などをまとめてプレゼンする
2)世間一般で問題提起されていること(例:成人年齢の引上げ)に対し、反対派(あるいは賛成派)の人に翻意してもらうための資料を作る
3)ブロックなどを使い「海をイメージできるもの」といった漠然としたテーマを基に作品を作り上げる
→クリエイティブ系の会社に多い
<発想系>
1)「富士山を北海道へ移動させるにはどうすればいいか」といった、常識では想定できない議題が提示され、議論・プレゼンする
などが存在しています。
これらのグループワークで共通して評価の対象となるのは、「協調性」や「リーダー、サポート役などの役割と能力」「視野の広さ」「論理性」などです。そのうえで、就活生に自社理解をより求めるならその会社のこと系、発想力重視なら発想系とテーマを決定することが多いようです。
グループワークを受ける際の注意点
就活の選考ですが、グループワークは面接とは全く異なる形態なので、注意すべき点・心掛ける点も大きく違っています。事前にしっかり確認してから、本番に臨むようにしましょう。
1)立場が対等な相手と協力して進める
他の就活生と協力してワークを進めなければなりません。自己主張の場ではないのです。同じ企業を受けるライバルですが、一時停戦して仲良くいきましょう。
相手のこと少しでも知っている方が進み具合はよくなりますので、ワーク開始前の待機時間に積極的に自己紹介などを行っておくのがお勧めです。
2)役割を持つ
ワークではいくつか定型化された役割があります。「リーダー」「タイムキーパー」「書記」が最もよく言われるものです。自分が得意な立場があれば、積極的に担いにいきましょう。そして、相手の役割は邪魔をしないことです(誤ったり、不足があった時の修正はOK)。協調性を疑われてしまいます。
3)時間管理の責任を負う
面接では時間管理は面接官の役割ですが、グループワークでは自分たちで時間を管理する必要があります。時間厳守は社会人が仕事をする上の大原則です(少なくとも表向きは…)。計画的に時間を配分し、終了時間に成果物ができていない、という最悪な事態を招かないようにしましょう。
4)目的を見失わない
グループワークには、必ず「最終目的」があります。相手と議論をしているうちに、気づけばその最終目的から外れてしまっていた、というはよく起こるので、十分注意してください。限られた時間を無駄にしないようにしましょう。
5)それでも合否は相性しだい
企業によって評価の視点も違えば、人同士ですからどうしてもかみ合わない、相容れない相手と同じグループになってしまうこともあります。全てで100点を取ろうとせず、どっしりと構えていきましょう。
社会人の第一歩として臨もう
はじめに説明したように、就活でのグループワークの多くは「疑似的な仕事体験」です。
いわば、その企業から与えられた最初の仕事になります。そう考えれば、しっかり準備しなくては!と気が引き締まると同時に、ワクワクもしてくるのではないでしょうか。
事前準備は大切ですが、気負ってしまってはいい結果も出ません。
楽しみながら、冷静にこの機会を乗り切りましょう。