内定辞退の注意点!電話・メールでの伝え方
- アドバイス
あなたが入社意志を固めた企業が決まり、他社の内定を辞退したい場合は、極力早めに連絡するようにしてください。
内定を辞退することは企業に迷惑をかけることになるからです。
内定辞退者が出てしまうと、企業側には改めて学生を補充採用する必要が生じます。
企業側は選考プロセスを通して、多くの時間とコストを消費していますから、そのことに配慮して、早めに内定を辞退する旨を連絡する必要があるのです。
とはいえ、企業にとって内定辞退者がでるのは想定内です。
就活生の皆さんは「申し訳ない」という気持ちになる思いますが、自己嫌悪に陥いる必要はありません。
ビジネスマナーをしっかりと守り、誠意ある態度で内定辞退の連絡することが何よりも大切です。
今回は、内定辞退にあたっての注意点として電話やメールでの伝え方についてお話します。企業に連絡をする前に、よく確認しておきましょう。
マナーを理解した連絡方法を知っておくことは、社会人になってからも役立ちます。社会に出る前に習得するつもりで実践してください。
目次
1.内定辞退の連絡は電話が基本
内定を辞退する場合は、電話することが基本です。
内定を承諾すると、企業は内定者を新入社員とするべく、受け入れ体制を作ります。
時間とコストをかけて受け入れに向けた計画を作成するため、企業側に十分配慮し、内定辞退の連絡は早めにする必要があります。
メールでの連絡では企業側にスピーディーに伝えることが難しいため、まず電話で直接、内定をいただいた感謝とお断りするお詫びの気持ちをもって、誠実かつしっかりと自分の意思を伝えてください。
そのためにも、メールではなく自分の言葉を直接伝えられる電話で連絡することが社会人としての振る舞いだと思います。内定辞退の連絡は、早急かつ誠実に対応しましょう。
迅速な連絡には電話を活用しましょう。
①辞退理由は「一身上の都合」でも問題なし
内定辞退の理由は「一身上の都合で」といえば問題ありません。
「一身上の都合で」とは「個人的もしくは家庭的な理由で」という意味です。
内定辞退の理由によっては、そのまま理由を話すと人事担当者や企業に対して失礼にあたることがあります。
そのため、内定辞退の理由を具体的に伝える必要はありません。
ただし、企業から辞退理由について回答を求められた時は、失礼のない範囲で「第一志望の企業に内定が決まった」「大学院進学のため」など正直に答えましょう。
担当者が辞退の理由を聞くのは、今後の採用の参考にするためです。
理由を具体的に伝える必要はありませんが、嘘をつくことはやめましょう。
②営業時間内に電話する
電話は企業の営業時間内にかけましょう。
営業時間内なら必ず社員の方が電話に出てくれます。
早朝や深夜にかけるのは、社会人のマナーとしてふさわしくありません。
辞退するからといって礼儀を疎かにしては、企業側も気分を悪くしてしまうでしょう。
③静かな場所から電話する
静かな場所を選んで電話することが大切です。
内定辞退は、学生だけでなく企業にとっても重要な話ですから、騒音や電波の悪い場所では正確に伝わらない可能性もあります。
辞退することのお詫びと最終面接まで時間を割いてくださったことへの感謝の気持ちをしっかり伝えるためにも、静かな場所から電話をしてください。こうした配慮が社会人のマナーとしてはとても重要です。
④話す内容を簡潔にまとめメモしておく
企業の方はお忙しい中、時間を割いてくださっているため、簡潔に伝えられるようにまとめておいてください。
その際、文章を丸暗記して読むのではなく、要点を箇条書きでメモしておくと抜けもれなく感情を込めて伝えることができます。
感謝とお詫びの気持ちを持って簡潔に伝えるようにしてください。
【電話での伝え方の例】*あくまでも一例です。自分の言葉で誠実に伝えましょう。
・「採用ご担当の〇〇様、この度は内定を頂戴して大変ありがとうございました」
・話し始めに「今お時間よろしいでしょうか」とお伺いをたてる
・「一身上の都合で、内定を辞退させていただきます、大変申し訳ございません」など、内定辞退の旨をお詫びとともにはっきりと伝える
・理由を聞かれたら「第一志望の企業に合格した」と伝える
・電話を終える前に「大変お手数をおかけいたしました。お忙しいところありがとうございました」などと申し添える。
2.電話で伝えた内容の補足としてメールを活用
電話での内定辞退の連絡を補足するためにメールしましょう。
ただし、電話をせずにメールだけですませることはやめましょう。
採用担当者は毎日たくさんのメールを処理しますから、あなたのメールが紛れてしまう可能性もあります。
採用担当者には、多い場合には1日に数百通のメールが届きます。
その中に内定辞退という重要なメールを送ったとしても気づいてもらえない可能性があるからです。
メールを電話の補足手段として使うことは、内定を辞退したことを文書に残すという重要な意味もあります。
これによって、企業側と学生側とのコミュニケーションの行き違いを防ぐことができます。
電話が繋がらないため取り急ぎ伝えたい場合、また電話をした後、再度謝罪をする場合についてもメールを活用しましょう。
①ビジネスマナーに注意する
メールを書く際は、ビジネスメールマナーをしっかりと守ってください。
相手への配慮と伝わりやすいメールにするためにもマナーは大変重要です。
メールでの伝え方のポイントとしては、「内定辞退のお詫びとご挨拶」など結論がわかるような「件名」をしっかりと書くこと、本文の書き出しでは結論から簡潔に述べること、最後に自分の署名を書くことなどをしっかりと意識しましょう。
②感謝と謝罪を記入する
内定をもらうことは、企業に貴重な時間をいただきお世話になるとともに、あなたが採用したい人財だと評価していただいたという状態です。
選考だけでなく、社会人になる上での様々な助言をしていただいた学生の方もいると思います。
企業にとって採用には膨大な費用と時間がかかっています。これまでの感謝の気持ちをしっかりとメールに記入して伝えましょう。
3.電話やメールの後に手紙を送るとより丁寧
電話とメールで内定の辞退を伝えた後で、改めて手紙でお詫びをするとより失礼がないでしょう。
実際のビジネスシーンでは、もしお客様からのクレームや顧客対応に失礼があった場合は、「まず直接会ってお詫びをし、改めて謝罪のお手紙を送る」というのが正しい謝罪の方法です。
これも社会人としてのマナーの1つです。
電話とメールで内定辞退を伝えるだけでも、ある意味では形式的に構いませんが、「より丁寧に失礼のないよう辞退する旨を伝えたい」、「手紙で伝えたほうが良い」と感じたら、是非手紙も送ってください。
以下のような場合には、できる限り企業に手紙を送り丁寧に謝罪を伝えてください。
【手紙でお詫びを伝えたほうがよい場合】
*主に以下の場合には、できれば手紙でお詫びを伝えるのが社会人としてのマナーです。
(1)金融業界など比較的かたい業界を辞退する場合
(2) 知人・親戚・大学から推薦を受けた企業を辞退する場合
(3) 「内定承諾書」などを既に提出済の企業を辞退する場合
(4)「内定者研修」「内々定式」などを受けた後に辞退する場合
社会人として、電話をすること、メールや手紙を書くということは、どの世代、どの年齢の人にとっても必要なコミュニケーションツールとして理解しておく必要があります。
学生時代と違って、社会人になると、これまで出会ったこともないような価値観の人々と接し、仕事をしていく機会が増えます。
時には、気にいらない・自分とは合わない、と感じてしまうお客様、お取引先の方がいらっしゃるかもしれません。
しかし、ビジネスシーンにおいては、そのような事情は一切通用しません。
あくまでも自分が所属する「会社」と「お客様・お取引先」との関係性であることを十分に認識し、「大人として誠意をもって」お付き合いしていくことが重要です。
内定辞退をすることも、就職活動の一環だと考えてください。
就職をきれいに終了し、後輩の学生や大学に迷惑をかけないよう、大人として、社会人としての対応力を今のうちに身につけておきましょう。
なお、キャリアアカデミーでは「メール&電話マナー講義」という講座が開講されており、企業に連絡する際のマナーをしっかり学ぶことができます。ご興味のある方は、一度説明会に参加してみてくださいね。
それでは、みなさん、体調には十分気をつけて、最後まで気をぬかないで頑張りましょう。
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執筆:就活塾 キャリアアカデミー 講師 石崎
新卒で三菱銀行に入社。その後、大手印刷会社、飲料メーカー、出版社にて、
企画業務、新規事業推進業務等に携わる。修士号(カウンセリング)を取得し、
現在はキャリアコンサルタント、カウンセラーとして活動。
国家資格キャリアコンサルタント。国家資格公認心理師。
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