人事歴15年の筆者が就活生に伝えたい4つのこと
- アドバイス
人事歴15年、これまでたくさんの就活生の選考を担当した筆者が、就活生に伝えたい4つのことを紹介します。
目次
なぜ人事を15年も続けているのか?
僕が人事になったのは、2007年。そこからすぐにリーマンショックがあり、コロナ禍があり、日本経済も就活もジェットコースターのように上下してきました。
現在は、超売り手市場といわれる世の中で、なぜ筆者が15年も人事の仕事を続けているのか。
僕が就活をしていた時は、2000年。まさに氷河期と言われ、いまとは逆の就活。求人倍率が1.0倍を割って、大卒の求人数より大学生の数が溢れている世の中でした。
その頃と今は時代は違えど、会社にとっての新卒の価値は変わりません。
会社の根幹。
大袈裟な話、新卒採用で他社より結果を残せば、将来の会社への飛躍へと必ず繋がります。
逆に、学生の皆からすると、人生が大きく変わります。
つまり、就活は、会社からみても、学生からみても、人生が大きく変わるターニングポイントになるのです。
だから、人事として働いて15年経っても変わらず、こんなに面白い仕事はないと思っています。そんな筆者が今日は、皆さんに就活の本音を語ります。
就活生に伝えたい4つのこと
その1.業界を見る
よくどんなことを仕事にしたらよいのかわからない、やりたいことが見つからない、そんな話を聞きます。
正直、正社員として働いたこともないのに、やりたいこともなく、急にSPIを受けて、グループディスカッションを受けて、面接受けて内定を取れ、という流れは過酷だと思います。
どんな仕事をしたいのか。実際に多くの就活生がぶつかる壁です。
そんな時は、やりたいことからではなくて、環境から見てもよいと思います。業界で働き方は大きく異なるからです。
例えば、朝が8時出社なのか11時出社なのか、100%出社なのかリモートなのか、転勤があるのかないのか、など。コロナ禍前に比べ、働き方の選択肢が多様化して、かつ業界で働き方が大きく分かれています。特に、出社かリモートかは、働いている社会人としては大きい要素です。
24卒の学生の皆さんは、入学当初からリモートで大学の多くをオンラインで過ごしたこともあり、リアルな環境を求めることが多いイメージですが、25卒の皆さんでは、ややその感覚が変わってきているようにも感じます。
25卒の皆さんは、オンライン、オフラインの両面のメリット、デメリットを理解しているからこそ、リアルかリモートかを企業選びの優先順位の1位に持ってくることも一つだと思います。
飲食、小売、金融、不動産等はリアル。通信、IT等はオンライン。ざっくりそんなポイントでも業界を見てもよいのではないでしょうか。
その2. 企業は皆の現在には期待していない
ESや面接で最も多く聞かれるのはガクチカです。
学生時代頑張ったこと、つまりガクチカは、自身の過去を聞かれます。面接でもそうです。
聞かれるのは、皆の過去と現在と未来。先も述べましたが、新卒採用を行っている企業の大半は、現在の皆さんには期待していません。では、何に期待しているのか。皆さんの未来に期待しているのです。
ただ、未来にはなにも確定要素がない。つまりは、不確定要素だらけの中で、企業が内定を出すその判断は、皆さんの過去、現在を裏付けにした未来へのやる気や思いで判断しているのです。
今更、過去や現在を変えることは出来ませんが、未来の気持ちや思いはいくらでも作ることができます。
未来をしっかりと考え、作りこみ、逆算で自身の過去と現在をしっかりと理由付けができれば、内定にぐっと近づきます。
その3. 思い込みは捨てたほうがよい
就活での思い込みは怖いです。
先では、やりたいことが見つからない就活生の場合は、働く環境から決めてもよいという話をしましたが、逆に「これがやりたいことなんだ」という思い込みも怖いです。
よく「私はこれになりたい」と決め打ちで就活当初から業界を絞る学生がいます。
決して悪いことではないと思いますが、そういった場合は就活生の多くが、大手の難関業界を志望していることが多いです。
どのジャンルでも大手は人気があるし、内定獲得へは多くの就活生に様々な点で勝り、選考を乗り越えていかなくてはなりません。
さらに業界を絞りすぎると、万が一その業界の持ち駒がなくなった際にメンタル的に非常に響くことが多いです。
なぜメンタルに響くのか。思い込み一本できている分、ほかの業界でやりたいことが見つからない、魅力的に見えなくなるからです。それが悪いわけではないですが、世界は広いです。
どの業界も、企業説明会では良い面しか言いません。学生の皆が面接でよいことしか言わないのと一緒です。
そこで、思い込みや勘違いをすることもあります。
物事には、多くの場合、光と影があります。メリットだけでなく、デメリットの側面もしっかり理解したうえで、業界や企業を選ぶことが大切です。
そして、もちろん逆もあります。全然よくないと思っていた業界や企業も、素晴らしい面があるということも知ってほしいです。
その4. 内定を獲得してから企業を選ぼう
この会社は、よい、悪い、それについてはネット上に様々な記事や口コミサイトがあります。
最近は、LINEのオプチャ(オープンチャット)でも各学生が企業選考についてのアドバイスや個人的見解を示しています。
非常に参考になるものから、どこ情報なのかと思うものまで沢山リアルタイムで進行しています。
もちろん、そんな情報も参考にはなりますが、結局のところ、内定をどうやったら獲得できるかは自分次第ですし、内定を獲得するために準備をすることが大切です。
「あの会社はよくない」や、「A社とB社ならどちらに行く?」とあれこれ心配する学生がいますが、そういったことは内定後によく検討しましょう。
内定を取ってからでないと企業を選べません。
逆に言えば、内定を取れば、その企業を残すか辞退するかは学生の自由です。
また、内定を獲得した瞬間に、企業と学生の立場は面白いくらいに逆転します。
内定獲得者には、企業は囲い込みの食事会や企業見学、社員面談、内定者懇親会と様々な特典が付与されます。
そこで、しっかりと自身が入るべき企業なのか否かを判断してもよいのではないかと思います。
ファーストキャリア。非常によい響きですが、その選択肢は、皆さん自身で勝ち取り、自身で選択してほしいと思っています。
いろいろ書きましたが、皆さんのよいキャリアを応援しています。
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この記事の著者:就活塾 キャリアアカデミー 講師 竹田
就活塾 キャリアアカデミーは、就活生一人ひとりが自分にとっての「納得の内定」を
獲得できるようにサポートする東京・池袋の就活塾。元人事・採用経験者や、
国家資格キャリアコンサルタント保有者など約30名の講師を揃え、就活のノウハウを
伝えるだけにとどまらず、「社会人として求められる能力や考え方」の向上をめざした
指導を目指しています。
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