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【「やりたいことがない」就活生必読】 現役人事が語る 志望理由に「特にありません」と答えて内定した学生の話

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【「やりたいことがない」就活生必読】 現役人事が語る 志望理由に「特にありません」と答えて内定した学生の話

面接

私は10年以上採用面接を担当しています。近年は、就活生を支援する仕組みが充実し、学生の受け答えの質が年々向上していることを感じます。「学生時代に頑張ったことはなんですか?」と質問すると、多くの就活生は背筋を正し、身振り手振りを交えてなめらかな口調でエピソードを聞かせてくれます。よく準備してきているその努力に感心します。
しかし、様々な質問をする中でひとつだけ、なかなかよい回答が得られないものがあります。
それが「志望理由」です。
「やりたいことがない」就活生にとって、志望理由に答えることは難しことです。この記事では、「やりたいことがない」就活生が、志望理由に対してどう向き合えばいいのか、人事採用経験を踏まえてついてお伝えします。

目次

なぜ、志望理由を明確に話せないのか
最も好印象だった「志望理由」
目的を「内定」から、「自分を知ってもらうこと」にする

なぜ、志望理由を明確に話せないのか

採用面接をしていると、就活生は少し緊張しながらも、「社会貢献」「理念」「成長」など前向きな言葉を用いながら、我が社を受けた理由を話してくれます。しかし、その目はこちらを見ていないように見え、その言葉はどこかを漂うように聞こえます。私は形だけはうなづきながら聞いていますが、心のなかでは「その理由ならウチじゃなくても別の会社でも..」と思ってしまっています。
なぜ、就活生は志望理由を明確に話せないのでしょうか。
答えは簡単で、ほんとうは「志望理由」がないからだと思います。
私が就活生だった当時を思い出してみると、別にやりたいことはありませんでした。着慣れないスーツに身を包み、真新しいカバンを持って合同説明会を回っても、結局有名企業に目が行くだけで、やりたいことを見つけることはできませんでした。帰りの電車で吊り輪をつかみながら、なんとなく「企画の仕事がしたいな」など思ってはいましたが、企画の仕事がどのようなものかすら全くわかっていませんでした。結局、就活を始めるまで関心がなかった広告代理店に応募し、「広告の仕事がしたい」と思い込むようにして、上辺だけの志望理由を熱っぽく語っていたような気がします。もちろん、当時の私よりも今の就活生の方がずっと、しっかりと準備をしているのですが、それでも「やりたいことをはっきりさせる」ことはとても難しいことです。実際、社会人を見ても、半分以上の人は、やりたいことが今でも見つからないままに働いています。

最も好印象だった「志望理由」

そんなむずかしい「志望理由」ですが、私が面接担当をする中で、心に残る、感心した学生がいました。
「志望理由を教えていただけますか?」と聞くと、「明確な理由はないのですが…」と答えたのです。受けておきながら、志望理由がないときました。続けて、
「明確な理由はないのですが、先輩に勧められて受けました。いろんな会社をみましたが、自分がどの会社に向いているか、どの仕事が向いているかわかりませんでした。結局、私がどの会社に向いているかを決めるより、人事の方に私がその会社に向いているか決めていただいた方がいいかなと考えて、勧められた会社や、なんとなく気になっている会社を受けています。これまで勉強でもアルバイトでも人よりたくさん努力することでどんなことでもそれなりに結果を出すことができてきましたし、仕事は好きなのでとにかく早く社会人になりたいと思っていますので、もし採用していただけたら精一杯がんばりたいと思います」と答えました。
この答えを聞いた瞬間に、採用したいと思いました。
確かに、私の質問である「志望理由」に何一つ答えていないので教科書的に言えば不正解、機械的に採点すれば0点です。しかし、本音で答える素直さ、自分の能力の限界を知る謙虚さ、好き嫌いを言わず努力する姿勢など人柄が、非常に伝わってきました。
実際この就活生は、入社後滝を登るように出世しました。この人材を採用したことは私の仕事人生の中で最もよい判断のひとつだったと自負しています。

目的を「内定」から、「自分を知ってもらうこと」にする

私も就活生の時はそうでしたが、就活生は「内定が欲しい」一心だと思います。内定が欲しいあまり、志望理由を聞かれると、きれいにお化粧をした回答をしてしまいます。しかし、本音と少し異なる自分を人事に見せて仮に採用されても、何年間も働き続けることができるのでしょうか。企業は、自社で活躍できると思えば採り、活躍できないと思ったら採りません。企業にすり寄った志望理由で入社しても、結局活躍できなければ仕事がつらくなって遠からず辞めてしまいます。取ることで不幸になる内定もあるのです。
目的を内定ではなく、「ありのままの自分の考え方や行動を知ってもらう」ことにしてはいかがでしょうか。そのために、日々、ありのままの自分が「高く評価される自分」であるように努めることをお勧めします。その上で、心をすっぴんにして採用面接で話して下さい。それが、仕事で活躍したり、高い収入を得たり、よい人生を獲得する最善の方法であり、内定への一番の近道でもあります。