就活生がミスしがちなビジネスマナー
- アドバイス
就職活動では、社会人としての第一印象や思考能力・行動様式や言葉の使い方が求められます。
これまで、みなさんがアルバイト以外で経験してきた人間関係や人的なネットワークは多くの場合、自分の志向や考え方が似ている人達、自分にとって付き合いやすく、話が合う人達との関係値の蓄積だったのではないでしょうか。
しかし、実社会で働く中で、ビジネスで成果を上げていくためには、いままでのように自分が好きな人、付き合いやすい人との関係性だけでは、社会人として立ち行かなくなってくるでしょう。
すなわち、自分があまり得意ではない人達、どちらかというと苦手なタイプの人達とも「より良い人間関係」や「より良いコミュニケーション」を作っていく必要があるのです。
今回は、就職活動を始めてまだ間もない就活生のみなさんがミスしがちなビジネスマナーについてお話してみたいと思います。
目次
2.時間は必ず厳守しよう。遅刻は厳禁。ただし、早すぎないように。
4.否定的な言葉や言い訳は避け、素直に質問に対して受け答えしよう
5.第一印象をよくするために一番大事なのは、「熱意」と「笑顔」!
1.身だしなみ(第一印象)を見直そう
まず面接時に気を付けるべきマナーは、身だしなみです。
心理学には「メラビアンの法則」という理論があります。
これは話し手が聞き手に与える影響の55%は「視覚情報」によるもので、38%が「聴覚情報」、言語情報にいたっては7%に過ぎないという理論です。
ただし、日常生活のすべてのシーンで、その法則がそのまま当てはまるわけではありません。
実際の日常会話では、シンプルな言葉や表情だけでなく、もっと長く複雑な言葉やボディランゲージなどを組み合わせてコミュニケーションが行われます。
得られる情報量も非常に多く、それらを複合的に利用し、判断しなければなりません。
このため、日常的なコミュニケーションに「視覚情報55%」、「聴覚情報38%」、「言語情報7%」、という割合が当てはまるわけではないことは、理解しておくことが大切です。
とはいえ、限られた時間で初めての人と対話するという面接の場面では、第一印象はとても大切であることは覚えておいてください。
見た目は髪形や服装、身振り、手振りを交えた身だしなみや印象によるところが大きいです。
服装がキチンとしていなければ、いくら前向きで素晴らしい発言があっても人の心は動きません。身だしなみを整え、ハキハキした対応を心掛けてください。
身だしなみは、以下のように男性と女性で注意点すべき点が若干異なります。
ただし、これらは絶対ダメという基準ではありません。あくまで日本という社会で企業人として望ましいという観点で理解してください。
【男子学生がミスしがちな身だしなみ】
・髪を染めている、髪が長めで前髪が目のあたりまできている髪型
・ネクタイの首元が緩んでいる
・シャツの袖をまくっている
・靴がきれいに磨かれていない
・ピアスや首飾りをつけたまま面接に来ている
【女子学生がミスしがちな身だしなみ】
・スカートの丈が極端に短い
・ヒールが高すぎるものを履いている
・濃いメイクになっている
・ピアスをしている
・髪をかなり明るく染めている
面接で就活生を判断する最初の要素は髪型や服装などの身だしなみです。
これらは面接官への印象を良くするために非常に重要な要素です。就活にあたって、今一度確認しておきましょう。
2.時間は必ず厳守しよう。遅刻は厳禁。ただし、早すぎないように。
面接当日は余裕をもって面接場所に到着できるように準備しましょう。
オンライン面接の場合も同様です。時間を厳守し、余裕を持ってオンライン入室するようにしてください。
面接当日に時間ギリギリで到着(あるはオンライン入室)してしまうと、時間管理ができない人とみなされてしまいます。
時間管理、スケジュール管理はビジネスパーソンの基本中の基本。
特に対面面接の場合には、公共交通機関等の遅れなど「もしもの事態」があるかもしれず、余裕を持って出発しないと遅刻してしまうかもしれませんよね。
顧客との商談の約束時間を守れなかったことが原因で、ビジネス上で取り返しのつかない事態になることもあります。(若い頃、筆者も痛い目にあいました…汗)
時間を守ることはビジネス上極めて重要なことです。
「もしもの事態」に備え、訪問する企業の住所とそこまでの時間を考慮し、余裕を持って10分前までには面接場所に着けるようにしてください。
ただし、あまり面接時間に対して早すぎる到着も時に企業側に迷惑をかけてしまうことがあります。
「15時からの面接だけど、14時35分に来ちゃったのかぁ。あと15分くらい自分の仕事ができたのに、学生が来たから対応しないといけないじゃん」と企業側に気を使わせてしまい、別の仕事の時間をあなたが奪ってしまう可能性もあります。
ですので、だいたい10分前くらいを目途に面接場所に到着することを目指してください。
実社会では、時間を守れる人か、守れない人かによって、みなさんの信用ばかりでなく、みなさんが所属する企業の社会的信用にも影響が出る場合があります。
相手の時間に配慮できないということは、社会人としてその企業の信頼や信用に傷をつけることにも繋がります。
繰り返しになりますが、企業の選考を受ける上で、時間については、十分注意してください。
どんなに学歴やスキルが高く、面接でうまく話しができたとしても、遅刻が原因で選考に落ちることがあります。うっかり遅刻は、どんなに見た目や身だしなみが良くても、カバーできない可能性が高いと考えてください。
3.面接場所への入退室でのマナー
面接時における入退出には、これでなくては絶対ダメというルールはありませんが、一般的に以下の流れのようなマナーがあります。
この一連の流れがぎこちないと、スマートな印象を残せなくなってしまうので、注意してください。
1.ドアを3回ノックし、面接官から入るように言われた後に「失礼します」と言ってドアを開ける。
2.部屋に入ったらドアの方を向いてドアを閉める。この時、面接官の方を向いて後ろ手で閉めるのはNGです。
3.ドアの前で「失礼します」と言って面接官に一礼し、面接官の方を向いて椅子の左側(左側にスペースがない場合は右側)に進む。面接官に挨拶をし、面接官から座るように言われてから「失礼します」と言って座る。
4.面接が終わったら座ったまま面接官にお礼を述べ、椅子から立ち上がり、おじきをする。ドアの前に立ち、「失礼します」と言ってから改めておじぎをして部屋を後にする。
面接の際は緊張から上記のような基本的な流れを忘れてしまいがちです。
しかし、だからと言って、マナーを気にし過ぎるあまり、面接でいつもの「あなたらしさ」を出せなくなってしまっては意味がありませんよね。
ですので、あまり過度にマナーを意識しなくて済むように、特にコロナ禍の影響で対面面接に慣れていない学生の方は、対面面接の練習を何度もやって、無意識で動けるように体で覚えてしまいましょう。
4.否定的な言葉や言い訳は避け、素直に質問に対して受け答えしよう
面接で失敗につながる話し方をしてしまう方が結構いらっしゃいます。
それは、否定系の言葉を多く使うことです。
例えば、「できません」、「知りません」、「わかりません」などの言葉はできるだけ使わないことをお勧めします。
何か質問された際にこのように答えてしまうと、面接官に「前向きではない」「やる気がない」と思われる可能性があります。
これは入社後の上司、同僚、取引先との日常会話でも同様です。常にポジティブな応答を心掛けましょう。
新卒採用はポテンシャル採用であり、入社後の成長が期待できる就活生が採用される傾向にあります。
そのため、前述のように否定的な言葉で答える就活生はいい評価が得られにくいのです。「でも」、「だって」、「先ほども言いましたが」などの言い訳も好まれません。
このような言葉遣いをされると、面接官は「この人とはなんか一緒に仕事したくないな、素直に指示に従ってくれなさそうだな‥」と思われてしまいます。
直接このような言葉遣いをするわけではなくても、不満そうな態度や表情は、面接官に伝わります。
面接官のどのような質問に対しても、それを素直に受けとめて、ポジティブに回答することを常に意識してください。
わからない時は「少し考える時間をいただいてもよろしいでしょうか?」、できない時は「努力します」など、伝え方を工夫しましょう。
普段使い慣れている言葉でも面接ではふさわしくないものもあるため、注意しましょう。
また、面接時の緊張に加え、普段使い慣れない言葉を使用するため、言い回しが不自然になってしまうことがあります。面接時の言葉づかいでは以下のような点に注意しましょう
・男性も、自分のことを「私」と言うようにしてください。「僕」はNG。
・「〇〇(名前)と言います」ではなく、「○○と申します」。
・訪問企業のことを書類に書く時は「貴社」で、面接で話すときは「御社」。
・「なるほど」や「了解しました」はNG、「承知いたしました」がよい。
・面接官からの言葉に対して、「参考になりました」はNGです。必ず「大変勉強になりました」と応答するように心がけてください。
・話が盛り上がってもタメ口や「○○っす」などの軽い言葉は使わない。
面接では、緊張がほどけ始めると、言葉遣いが不適切になってしまう可能性があるため、要注意です。
5.第一印象をよくするために一番大事なのは、「熱意」と「笑顔」!
「体育会系の人って就活で強いよね」ってよく聞きませんか?
それは体育会系の人は今までやってきた実績が明確にあるので、なにも部活をやっていなかった人よりも、熱を持って堂々と快活に自分のことを話せる人が多いからです。
「3年間居酒屋でバイトしてきて、バイトリーダーにもなれました。だから責任感を持って行動する事ができると思います」と言うよりは、「バイト先で〇〇があった時、こういう対処をしたので、それが評価されてバイトリーダーになれました。ですので、柔軟に物事を対処していく事には自信があります(笑顔)!」など過程を熱く語ったほうが印象も良いです。
事実を伝えるだけでなく、何を思い、何を感じ、どんな行動をしたのか、これが、その人の熱意の証明になります。
また、面接時での「笑顔」は印象をポジティブにしてくれます。
質問に対して無表情で応えるより、笑顔で快活に答えたほうが印象はよくなりますし、面接の通過率が格段にアップします。
これも訓練なので、口角を上げて話をすることを意識してみましょう。
言葉の伝え方や笑顔で伝えることによって人の印象は全く変わってきます。
これは就活だけでなく、これからのビジネスパーソンとしての社会人生活でもとても大切なことです。
今回は、面接でのビジネスマナーについてお話しました。企業の選考を受ける際に、面接は避けて通れません。そのため、マナーを把握した事前対策が必要不可欠です。
皆さんも、面接時に抑えておくべき上記のポイントを参考にして、志望する企業の内定を獲得してください。是非、適切なビジネスマナーを身に付けて、面接で自分らしさを十二分に伝えられるようにしておきましょう。