「動画選考」を突破するために!~攻略4つのポイント~
- アドバイス
ここ数年の就活で耳にすることの多くなった「動画選考」。数年前まではあまりなじみのない選考方法でしたが、新型コロナの流行以降、現在多くの業界で採用されています。
企業によって「自己PR動画(動画エントリー)」とも呼ばれ、自分PR等を定められた時間内にスマートフォンなどで撮影し、エントリーするというものです。
いわば動画形式の面接試験。
あまり対策をひも解いた解説本が少ないため、どう対策すればよいのか今一つわからないという方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、「動画選考」の概要および動画選考を通過するために必要な考え方や攻略法などについて詳しくお話していこうと思います。
目次
そもそも「動画選考」とは?
「動画選考」攻略のポイント
①「動画選考」が導入された意図を理解する
②「コミュニケーション力」と「熱意」を伝えよう
③面接同様、話す時は結論から伝えたいことを絞って話そう
④撮影の準備をしっかりしておこう
おわりに
そもそも「動画選考」とは?
「動画選考」とは、学生がスマートフォン等を使って自己PRなどの設問に対する回答を動画で撮影し、企業に送信するというものです。
設問数や動画の撮影時間は企業ごとに異なりますが、例えば、1分で動画を作成し、「自己PR」「自分の長所・短所」「学生時代に頑張ったこと」などを伝えるものが多いようです。
企業によっては、「表現手法は自由です。自分らしさを5分でプレゼンテーションしてください」という設問の場合もあると聞きます。
総合商社での活用が比較的多いと言われており、広告業界やエンターテインメント関連企業、テレビ局、建設業界など、多くの業界や企業がインターンシップ選考や本選考で「動画選考」を導入しています。
今後も多くの企業で活用されることが予想されますので、その導入背景や攻略のポイントは知っておく必要があろうるかと思います。
企業により、「動画選考」をどの段階で課すかは異なります。しかし基本的には書類選考の段階、すなわちエントリーシートを提出するタイミングで動画の提出を求める企業が多いようです。
「動画選考」攻略のポイント
①「動画選考」が導入された意図を理解する
なぜこのような選考方法が導入されたのでしょうか?
その理由は「採用効率」の良さと人物の「可視化」です。
動画選考は、エントリーシートと比べると、時間や効果、コストに関して企業側の「採用効率」が良いものと言われています。
例えば数千人が応募してくるような大手人気企業では、エントリーシートよりも短い動画で確認する方が選考過程における効率が良いことは明らかです。
加えて「動画選考」では、エントリーシートだけでは見えなかった応募者の表情、第一印象およびコミュニケーション力・プレゼンテーション能力などを採用担当者が「可視化」できます。
そのため、より効率的で質の高い選考方法として、特に1次面接の足切りなどに用いられます。
これまで企業側は、学歴やエントリーシートなどで判断してフィルターをかけていましたが、その場合、コミュニケーション能力が低い人や、最低限の身だしなみができていない人でも選考を通過してしまうリスクがありました。
しかし「動画選考」であれば、学生側からすると学歴や文章力に多少自信がなくても面接までたどり着けるチャンスがあるとも言えます。
このように効率的かつ質の高い選考が可能となる点から、今後、動画選考を取り入れる企業は、さらに増えることが予測されます。
また今後AIに動画をチェックさせることにより、さらに効率的な採用活動に変化する可能性もあります。
(出題の具体例)
下記の例は、ある大手総合商社で実際に出題された動画選考の設問です。参考にしてみてください。
「ガクチカ」や「自己PR」というわかりやすい設問ではない場合もあります。
- あなたはどんな人間ですか?1分以内でお話しください
- 何か一つの物事に取り組まれている最中に、意図せず大きな変更を余儀なくされた経験についてお聞かせください。その時の状況、あなたが取った行動、最終的な結果について3分以内で具体的にお話しください。
- 達成困難な目標を設定して、その実現に向けて取り組まれた経験についてお聞かせください。その時の状況、あなたが取った行動、最終的な結果について3分以内で具体的にお話しください。
- 一つの目標に対して、チームで取り組まれた経験についてお聞かせください。目標達成に向けて、あなたがチームの中で果たされた役割や、実施された行動、最終的な結果について3分以内で具体的にお話しください。
- 自分の持っている知識やスキルでは解決が難しい課題に直面し、新しい知識・スキルを身につける必要があった際の経験についてお聞かせください。どのような情報源から、どのようなインプットを得て、知識やスキルを身につけていったのか3分以内で具体的にお話しください。
どうですか?それなりに難しい設問もありますよね。
②「コミュニケーション力」と「熱意」を伝えよう
どの業界や企業においても、営業現場はもちろん企画や事務的な業務においてもコミュニケーション能力は重要です。この観点は動画選考のみならず、全ての選考過程で特に重要になります。
しかし、勘違いしてほしくないのは「コミュニケーションとは両者の会話によって成り立つ」ということです。つまり、相手に配慮した発言が必要です。
一見すると動画選考には「相手」がおらず、ただカメラに向かって設問の回答を話しているだけのように思えます。
しかし、動画選考にも「相手」が存在します。その「相手」とは「動画を見る企業の社員」です。自分の動画を見てくれている応募企業の社員の方の反応などを想像しながら、一方通行ではないコミュニケーションであることを意識して動画選考に臨んでください。
応募する企業や業界の基本的な情報をしっかりと調べ、自分の「想い」を自分の言葉で「熱意」を持って伝えましょう。
それができれば、あなたの熱意は動画を見ている相手に自然と伝わります。たとえ言葉が多少拙くても意欲的かつ真摯な姿勢で伝えましょう。
③面接同様、話す時は結論から伝えたいことを絞って話そう
コンサルタントがよく使う話法に、PREP法という方法があります。ご存じの方も多いのではないでしょうか。
(PREP法)
Point:要点
Reason:根拠
Example:具体例
Point:最後に結論を繰り返す
PREP法は、上記のそれぞれの頭文字をとったもので、主張したいことを分かりやすく簡潔に伝える際に意識するとよい話し方のフォーマットです。
最初に要点を述べ、次にその結論に至った理由を説明し、さらにその具体例を紹介し、最後に繰り返し結論を主張する、というもの。
動画では時間が限られているため、大事なことを最初に結論から話すことがとても重要です。文章作成が苦手な方も是非覚えておいてください。
また、面接場面で、緊張して、自分が何を話しているか途中でわからなくなってしまうことを防ぐ効果もあります。
なお、「動画選考」を撮影する際は、必ず事前に「シナリオ」(台本)を作成し、何度か自撮りをして指定の時間内で話を終えることができるかどうか、どんな印象に仕上がっているかどうか、など、何度か試行錯誤してみることが大切です。
④撮影の準備をしっかりしておこう
次に、撮影する際に気をつけたいことをお伝えしたいと思います。
⑴服装に関しては指定がない場合、スーツを着るのが無難です。服装が私服などの指定がある場合は、フォーマルな服装を選びましょう。また服装以外でも髪型やメイクなどの身だしなみに気を配りましょう。
⑵撮影場所としては屋内、屋外どちらでも問題ありません。
周囲の音や顔の映りに配慮して、場所を選択しましょう。撮影用のカメラはお気に入りのものがあればそれを使えばですが、スマートフォンでの撮影で問題ありません。位置を固定できるスマホ用の三脚や台を用いて撮影すると安定してよいでしょう。
⑶自分では笑顔を意識していても、動画や写真を通して自分を見てみると思ったより笑顔に見えないなあ…このような経験はありませんか?
動画だとどうしても表情が固くなってしまい、笑えない人が多くなる傾向があるようです。実際に人に見られていると思いながら、少し大げさなくらい笑顔を意識して撮影するようにしてください。
⑷カンペやメモを用意することは構いませんが、実際に撮影を始めたらなるべく見ないようしてください。
動画選考では一般の選考に比べ準備にかけられる時間が十分あります。採用する側も、ある程度の期待を持って選考に臨みますから、何度も撮り直すだけの価値はあると考えてください。数分間の動画撮影内容ですら覚え切れていない、という状況では熱意も伝わり難くなります。カンペの使用は極力控えて撮影しましょう。
ただ、どうしても不安な場合は、簡単な要点や話す順序だけをメモした紙を用意してもよいでしょう。動画撮影中は手元にメモを置くのではなく、目線とカメラレンズの延長線上に見えるようメモを設置することがコツです。
おわりに
「動画選考」は最近導入された手法であるため、企業側も試行錯誤をしています。
そのため、年によって大きく傾向が変わることもあるので、テクニックではなく、本質はあくまでも「入社したいという熱い想いを最大限にぶつける」ことだということを忘れないでください。
キャリアアカデミーでは、開講している講義の中で、「Web面接・動画選考対策講義」を開講しています。おり、動画選考についてより詳しく学ぶことができます。
ご興味のある方は是非予約をしてみてください。ぜひ一度説明会に参加してみてくださいね。
動画選考は今後よりポピュラーになる手法と考えられます。今回お話したポイントを意識して動画選考を是非乗り切ってください!
執筆:就活塾 キャリアアカデミー 講師 石崎
新卒で三菱銀行に入社。その後、大手印刷会社、飲料メーカー、出版社にて、
企画業務、新規事業推進業務等に携わる。修士号(カウンセリング)を取得し、
現在はキャリアコンサルタント、カウンセラーとして活動。
国家資格キャリアコンサルタント。国家資格公認心理師。